こんなハナシが、おまんねや!


こんなはなしがおまんねや!




「もう一人のふたり・・・・」


それは、まさに“果し合い”であった。
二人の間に妥協はない。
そこにあるのは、己(おのれ)の自我の存在だけで。
相手に隙(スキ)を見せたが最後、完膚なきまでに叩かれてしまう。
ただ、それだけが活きていく術(すべ)だった。

大阪にいた男であった。
陸軍中尉の息子であった。
戦争時代の申し子の様な、憂いをもった少年時代であった。
彼は、その父親の顔を知らない。
そればかりか、産みの母親の顔さえ知らなかった。
そばに、いたのは遊郭を経営する母親と市役所の食堂に勤める父親だった。
その父親と母親は夫婦ではなかった。
幼き日々から、彼は誰に頼ることなく生きていくことを覚えていた。

15になった日。ラジオから流れる世界に彼は飛び込んだ。
同級生を誘い。彼はその世界で水を得た魚のように自分をつかみかけていた。
しかし卒業と同時に、彼は挫折を知ることになる。
漫才師となった彼は、その世界で完膚なきまでに挫折を味わう。

もうどん底の生活だった。
つけられたあだ名は「コンビ別れの名人」
彼は、横山やすしと呼ばれていた。


東京に生を受けた男がいた。
カメラ店を経営する父親の子供だった。
少年時代の彼は、何不自由ない恵まれた生活だった。

彼が6歳のときに、父親の事業が失敗する。
多額の負債を抱えた生活が始まった。
そこから、その家族は流転の運命に流された。

働きながら学んだ、その日暮らしの毎日だった。
あまりの生活の過酷さに、家族は「解散」することになった。
高校を卒業した。

叩いた門は、浅草のコメディーの世界だった。
何のとり得もない。彼は必死でその世界にしがみついた。
何のとり得もない。彼は抜擢された仕事で、ナマCMを任された。
だが、そこでNGを19回も連発することになる。
彼は、テレビ界を追放された。

気がつけば、熱海の海を一人で眺めてた。
彼の居場所はなかった。
彼の名は、「萩本欽一」であった。


コンビ別れの名人は、中山レイコ師匠の手引きにより。
一人の男に出会う。
2歳年下の目の大きな男であった。
売れない役者のクセに、することは一流だった。
当時の吉本新喜劇のヒロイン「ヘレン杉本」に求愛した。
周囲の大反対を押し切って、二人は結婚した。
仕事もない、ないない尽くしの生活の中。

その二人の男は、出会った。
役者のクセの抜けない、その男に彼は一から漫才を仕込んだ。

やがて、二人は大阪に旋風を巻き起こすことになる。

後の「やすしきよし」である。


東京に居場所のない、その男は25歳であった。
熱海で一人、憂いの日々を過ごし・・・東京に戻り、かつての仲間に出会う。
そこにいたのは、歌手志望の同じ居場所のない男であった。
30を過ぎて、妻と子供を抱えて途方にくれていた男であった。
彼もないない尽くしの生活だった。

その二人の男は、出会った。
やがて、二人の男は東京に旋風を巻き起こすことになる。
後の「コント55号」である。

つづく



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